息抜きは得意なんですが….(耳抜き)




こんにちは!ココモの唐沢です。

ダイビングの初心者の方から「苦手なんです・・・息抜き・・・」と、いわれたことは無いですか?

いやいや、「息抜きはお上手じゃないですか!」・・・「耳抜きでしょ!」と、まぁネタですが…

みみぬき【耳抜き】大辞林 第三版

《詳細》

潜水時に、鼓膜内部の圧力を、外部の水圧と同じにすること。鼻をつまんで耳管から空気を送る。

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バロトローマ[2]バロトローマー、バロトラウマともって?

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バロトローマ(バロトラウマ)[3]Barotrauma。
baro- [連結詞] 圧力,重量。子音の前で用いられることが多い。
 例)barodynamics 重量力学、barology 重量学、barograph。
語源 ギリシャ語 báros = 重さ
trauma [名詞] 外傷。外傷性傷害。

=  圧外傷、又は気圧外傷

  • バロ = 圧力
  • トローマ = 外傷や怪我

組み合わせられた用語で「圧力の怪我」のことです。

副鼻腔(サイナス)、肺、耳などに、また器材により起こることがあるが、最も多いのは耳でしょう。

耳のバルトローマ

様々なパターンがあります。

  1. 中耳スクイズ
    • 圧平衡(耳抜き)を怠ると、痛みがおこる。
    • 圧平衡しない時間が長いほど、中耳に( )などの液体がたまる。

      《詳細》

      体液や血液

      《詳細を隠す》

    • 液体が原因で感染症にかかり悪化した場合聴力障害になることがある。
  2. 鼓膜破裂
    • 圧平衡をしないと1.の中耳にスクイズが生じるが無視して潜ると起こる。
    • 鼓膜が破れ水が入ると( )が冷やされヴァーティゴ[4]ひどいめまいが起きる。

      《詳細》

      (内耳にある)三半規管 (※体のバランスを保つ役割)

      《詳細を隠す》

    • 中耳に入った水が温められるとバーティゴは消える。
    • 通常、鼓膜は破れても治るが、バクテリア等で感染症を起こすことがある。
    • 耳鼻科ですぐに治療すれば永久的な聴力障害の可能性はほとんど無い。
  3. リバースブロック(= リバーススクイズ)
    • 潜降時に耳抜きができ、浮上時に膨張する気体が排出されない場合起こる。
    • ( )をしながら非常にゆっくり浮上する方法がある。

      《詳細》

      逆圧平衡[5]鼻をつまんで息を吸い込む

      《詳細を隠す》

    • ごくまれに無理に浮上すると鼓膜が外に向かって破れることがある。
    • 万一、圧平衡できなくても浮上しなければならない。
  4. 耳栓やフードの影響
    • フードと鼓膜の間に閉鎖空間ができた場合スクイズが発生する。
    • フード内に水を入れるか、耳の部分に穴の開いたフードを使う。
  5. 正円窓の破裂
    • 耳抜きをバルサルバ法で強引にすると正円窓が破裂することがある。
    • 破裂すると聴力低下、耳鳴り、( )などを伴う。

      《詳細》

      ヴァーティゴ

      《詳細を隠す》

    • 正円窓の破裂は永久的な障害を残す可能性がある。

肺のバロトローマ

  1. スキンダイビング
    • 息をいっぱい吸い潜降した場合、( )mで残気量より肺が圧縮される。

      《詳細》

      40

      《詳細を隠す》

    • 理論的には生命を脅かす筈が、競技例から重大ではないと分かってきた。
  2. スキューバ・ダイビング
    • 通常スキューバでは呼吸できるので肺の大きさは陸上同様に保たれる。
    • 肺を空に近い状態息をこらえて潜降すると( )mで残気量以下になる。

      《詳細》

      2~3

      《詳細を隠す》

    • 肺を空にするくらい息を吐き潜降するとごくまれに肺スクイズの傷害を負う。
    • 潜降の為に息を大きく吐かせ、無理に手を引くなどして潜らせてはならない。




練習問題を解いてみましょう

経験のあるプロダイバーとしては、各自の問題というより引率する参加者について注意を払わなければならない事柄が多い分野です。

スクイズ

スクイズに関する文章で最も適切なものはどれか

  1.  耳抜きを強くしすぎると卵円窓が破損することで障害が残ることがある
  2.  ハイパーベンチレーションをしすぎるとブラックアウトをすることがある
  3.  スキンダイバーが40m以上潜ると肺スクイズによる傷害が起こっている
  4.  スキューバダイビングで吐き切って潜降したらスクイズで重症になった
  5.  内耳の減圧症でヴァーティゴ(回転性のひどいめまい)が起こった

《詳細》

解答

  1.  ✕
    • 耳抜きを強くしすぎると(✕卵円窓、〇正円窓)が破損することで障害が残ることがある
  2.  ✕ スクイズとは関係ない(文章は正しい)
    • ハイパーベンチレーションをしすぎるとブラックアウトをすることがある
  3.  ✕ 理論上は残気量からそう考えられたが傷害はほとんど起こっていない
    • スキンダイバーが40m以上潜ると肺スクイズによる傷害が起こっている
  4.  〇 スキューバダイビングで吐き切って潜降したらスクイズで重症になった
  5.  ✕ スクイズとは関係ない(文章は正しい)
    • 内耳の減圧症でヴァーティゴ(回転性のひどいめまい)が起こった

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ヴァーティゴで・・・

ヴァーティゴが起こる理由で最も不適切なものはどれか?

  1.  透明度の海でのフリー潜降
  2.  内耳のバロトローマ
  3.  耳のスクイズ
  4.  減圧症

《詳細》

解答

  1.  透明度の海でのフリー潜降
    • スクイズとは関係ないが正しい
  2.  内耳のバロトローマ
    • 内耳でのヴァーティゴは減圧症による(ただしテックのようなヘリウムを使う場合)
  3.  耳のスクイズ
    • 鼓膜の破損による水の中耳への浸入で三半規管が冷えることで起こる
  4.  減圧症
    • b. と同じ意味。内耳のヘリウムによる潜水による減圧症。

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注釈   [ + ]

1, 2. バロトローマー、バロトラウマとも
3. Barotrauma。
baro- [連結詞] 圧力,重量。子音の前で用いられることが多い。
 例)barodynamics 重量力学、barology 重量学、barograph。
語源 ギリシャ語 báros = 重さ
trauma [名詞] 外傷。外傷性傷害。
4. ひどいめまい
5. 鼻をつまんで息を吸い込む




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