
長くダイビングインストラクターをしていると、いろいろな地域の方と出会います。
その中で時々感じるのが、関西出身の方の言葉の変化です。
もちろん関西出身だからといって、最初から関西弁全開というわけではありません。
初対面の場面や、まだお互いのことをよく知らない時期は、比較的標準語に近い話し方をされる方も少なくないように感じます。
丁寧な言葉遣いを心掛けていたり、相手に伝わりやすいように配慮していたりするのかもしれません。
そのため、関西以外の地域の方が初めて接すると、
「思ったより関西弁ではないな」
と感じることもあるようです。
ところが、少しずつ親しくなってくると様子が変わります。
会話の中に「ほんま」や「めっちゃ」が増え、
気が付けば自然な関西弁になっていることも珍しくありません。
おそらく無理に変化しているのではなく、安心できる関係になることで、本来の話し方が自然に出てくるのでしょう。
そして面白いのは、その変化が
ダイビングではとても短時間で起きることです。
通常、人との距離が縮まるにはある程度の時間が必要です。
ところがダイビングでは、初対面同士でも数時間を一緒に過ごす過程で…
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器材の準備をして、
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同じ船に乗り、
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同じ海を潜り、
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水中で同じ景色を見ます。
しかも水中では言葉を使いません。
ハンドシグナルやアイコンタクトで意思を伝えます。
出身地も方言も関係なく、みんな同じ方法でコミュニケーションを取ります。
そのせいなのか、水中から上がる頃には不思議と打ち解けていることが少なくありません。
そして昼食休憩や帰りの船で会話が始まります。
すると、それまで比較的おとなしかった関西風味が急に存在感を増します。
「めっちゃ良かったですね!」
「せやね!」
「ほんま最高でしたね!」
「いや、あの魚おもろかったわ〜」
数時間前まで丁寧な標準語に近かったはずなのに、いつの間にか自然な関西弁になっていることがあります。
もちろんご本人は意識していません。
でも周囲からすると、その変化が少し面白いのです。
ついさっきまで出身地も分からないくらいだったのに、
「あ、この方かなり関西の方だったんだな」
と改めて気付かされることがあります。
ダイビングは水中世界を楽しむ趣味ですが、それだけではありません。
人との距離が縮まったり、その人らしさが見えたりするのも魅力のひとつです。
そして時には、水中で一気に仲良くなった結果、
船に上がった瞬間に関西弁が炸裂する。
そんな光景もまた、ダイビング現場ならではの楽しさなのかもしれません。
もっとも、この記事を書きながら改めて考えてみると、
関西弁が出てくるのは、相手との距離が縮まった証拠なのかもしれません。
そう考えると、船の上で突然始まる「関西ダイバーへの変身」も、
実は人と人との距離が近づいた証なのかもしれませんね。
だとすれば、それはなかなか素敵なシーンです。
……などと、まるで他人事のように書いておりますが、
実は私自身、生まれも育ちも関西の播州やねん。
