優秀な指導者は、生徒のあらゆるサインから、その人を見極め、指導をより効果的に展開する。
サインには、仕草や言葉だけでなく、次のようなものがある。
- 瞳孔の大きさと変化、
- 視線やその動き、
- 目の合わせ方、そらせ方、
- 視野の範囲、
- 眼と頭の動きの相違、
- まばたきの数や速さ、頻度、
- 眉、目、口、鼻の位置、形状が表す表情、
- 顎、肩、首の位置関係と動き、
- 呼吸の深さと浅さ、速さ、リズムと乱れ、口の鼻の割合、
- 声のトーンと大きさ、話す速さ、語尾、
- 投げかけた言葉への反応や、選択された単語と並び、
- 差し伸べた手を取る手(右か左か)、取り方、握力、頼る時間、頼り方、
- 指、手、腕、背筋の伸び具合と動き、
- 肘、膝の曲げ具合と位置、
- 上肢と下肢の位置関係、
- 触る物と触り方、
- 身体の捻り方、振り向き方、
- 事前の打ち合わせとの行動、記憶の相違、
など
また、それぞれには、精神状態を反映した独特のタイミングがあり、時間経過、一定期間、状況により変化もある。
これらから心理やその変化が表れるが、個別の位置や形状だけでなく、組み合わせから生徒の状態を察知する。
- 集中力の有無とその継続性、
- 興味の深さ、
- 粘り強さ、
- 素直か、意地っ張りか、
- 真面目か、不真面目か、
- 優しさ、厳しさ、
など
それらから日常的な行動指針を推し図れる。
- 物事への取組み、準備の姿勢、
- 信頼関係の重要度、
- 他人への思いやり、気配り
- 周囲への配慮や協調性、
など
例えば、自ら交流を望んでおきながら相手を信じることができない人は、次のような傾向がある。
- 過去の多くの失敗例から、自身の選択能力の低さを過剰に意識している
- 自分自身が他人に対して信用できない人物であるがために、他人も同様だと考え、人を信用できない
物事を疑ってかかる人は、習得が遅い傾向がある。
「双方にメリット無し」と中断する判断力も不可欠。
はじめましての、泳げないし水が怖いという人を、より短い時間で水中へお連れし、安全にダイビングを楽しんでもらうには、こうった洞察力と、対応力が不可欠。
プロになる為のコースでは、単に理論や手順を習うだけでなく、より広く、深く能力を育てられるスクールを選ぶべき。
そしてこの能力は、海以外でも大いに役立つ。
余談だが、人の心理が察知できるようになればなるほど、人生がよりよく変化していく。