景気が悪いと、ダイビングスクールなどの産業において、一部の企業が経営不振に陥ることがあります。そうした企業は、大雑把で乱暴な経営手法によって規模を拡大してきた場合が多く、そのために顧客サービスや安全対策が疎かになり、トラブルや事故が頻発することがあります。
こうしたダイビングスクールがつぶれると、民間の業界団体は所属企業からの利益を得ているため、担当者の営業成績が悪化することを恐れて、誇大広告や不適切な営業、危険な講習など、問題のある業務を目をつぶってしまうことがあります。しかし、実際には、こうしたダイビングスクールが撤退することによって、周辺の良質なダイビングスクールがその市場を得ることができるようになります。
これによって、誇大広告によって悪影響を受けていた良質なダイビングスクールが、いかがわしい大所帯のダイビングスクールが荒らしていた市場を得ることができ、業界はより健全な方向に向かうことができます。短期的には、業界団体の担当者の成績が落ちるかもしれませんが、長期的には、業界の健全化と発展に貢献することができ、担当者の本来の目的に資することができます。
業界団体は、こうした状況でこそ、いかがわしい企業の取り締まりに努めるべきです。問題のあるダイビングスクールが存在することは、業界全体の信頼性を損なうことにつながります。業界団体は、信頼を損なわないように、不適切な業務を行っている企業に対して、厳正に取り締まることが求められます。また、業界全体の健全化のために、良質なダイビングスクールの育成や、業界内での情報共有の促進など、積極的な役割を果たすことが必要です。
