こんにちは!ココモの唐土です。
一般の方にタンクの中にどれくらい空気が入っているか聞かれることがあります。10リットルで200気圧・・・と言ってもピンときません。
上記2,000㍑の場合は・・・2㍑のペットボトル1,000本分。そこで1,024を画像で表現してみました….(^-^;
プロのダイバーは、「シャルルの法則」についての問題が解けたり試験に合格するのは当たり前として…!タンクの保管、気温と水温の温度差による使用可能エアー量について理解し、それを踏まえたダイビングの管理について知っててこそプロらしいですよねー!
概要
シャルル((フランスの科学者ジャック・シャルル。ただし、研究の多くは後に同僚のゲイ・リュサックが発表したもの-PADIエンサイクロペディア))の法則
気体の圧力や体積の変化量は、( )の変化に( )比例する。
《詳細》
気体の圧力や体積の変化量は、絶対温度の変化に正比例する。《詳細を隠す》
- 実験から
- 容器内の気体の圧力が一定であれば、温度が上昇すると体積が増大((ウエットやドライのネオプレーン生地があてはまります。))する
- 容器内の期待の体積が一定((スクーバタンクがあてはまります。))であれば、温度が上昇すると圧力が上昇する
- ボイル・シャルルの法則として正確な数値を出す計算式
- 温度変化によるタンク圧力が変化する一般的指標((PADIエンサイクロペディア))
温度が1℃変化すると・・・( )気圧変化する(正比例)。
《詳細》
温度が1℃変化すると・・・約0.6気圧変化する(正比例)《詳細を隠す》
ここは解説といっても上記法則に当てはめるだけです。
問題を解く際には次の点に注意してください。
- 「正確な値は?」の問いには
- ボイルシャルルの計算式に当てはめて解く
- 現実で良く用いるタンクの場合は体積が変わらないのでV(体積)は無視する(左図)
- 「おおよその値は?」の問いには
- 1℃で0.6気圧変わる正比例で計算する
- 温度変化量 × 0.6 = 圧力変化量
練習問題を解いてみましょう
現場ではボイルシャルルの式に当てはめた正確な数値が必要なことはないでしょう。ただ、季節や潜水地によって温度が変わることによるおおよそのタンク圧を把握できるようになっておきましょう。
なお、次の解説では度、℃、Kが混在して使用されているが、これまでの講義での経験から、理解が早く、かつそれぞれの単位を受け入れやすい流れで使用しています。
真夏の炎天下でダイビング
40℃の真夏日の炎天下、50℃にもなる充填タンク(200気圧10㍑)で、26℃の海へダイビングする際のタンク圧変化は、
おおよそ( )気圧になる
《詳細》
- 温度変化 26℃ – 50℃ = 24K下がった
- 圧力変化 24度 × 0.6気圧/温度 =14.4気圧
- 200気圧 – 14.4気圧 =185.6気圧
- 200気圧のタンクで水中に入ったとたん・・・おおよそ185.6気圧に減る
《詳細を隠す》
湖で淡水ダイビング
30℃のとき200気圧まで充填した10㍑のタンクで5℃の湖でダイビングをする際のタンク圧変化は?
- おおよそでは?
- 正確には?
《詳細》
補足
ここはあまり考えなくてもいいでしょう…
温度の単位
- 度・・・摂氏・華氏・絶対温度、又は温度差などで用いる
- ℃・・・摂氏のこと
- K・・・絶対温度 = 摂氏+273度、又は1.と同様な使い方として温度差を表現する場合に用いる
高圧ガス保安法第2条(定義)
日本の場合、高圧ガス保安法((http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26HO204.html))では、そのガスがどの様な状態(気体か液体)で、その圧力がどれくらいなのかにより、高圧ガスであるかどうかを定めています。
高圧ガス保安法では圧力をゲージ圧力としています。概略としては、圧縮ガスの場合、常用の温度において圧力が1MPa 以上となる圧縮ガスであって現にその圧力が1MPa 以上であるもの又は温度35度において圧力が1MPa 以上となる圧縮ガス(圧縮アセチレンガスを除く。)