こんにちは!ココモの唐沢です。
空気の内訳・・・普段はもちろん、深呼吸するときでも考えません・・・^_^;
空気はザックリ割ると2割が酸素、8割が窒素です。
エンリッチド・エアー・ナイトロックスは呼吸ガスを酸素32%や36%に濃くした混合ガスでダイビングをします!・・・今やダイビングシーンで外せないスタイルです!
「ダルトンの法則」を使って電卓片手にエンリッチダイビングを計画したり実施したりできたらカッコよくないですか?!
ダルトンとは?(=ドルトン)
《詳細》
イギリスの科学者。ジョン・ダルトン。1803年の水や他の液体による気体の吸収についての論文でドルトンの法則と呼ばれるようになる分圧の法則を提示した。物質の構造は原子から成っているとした人物としても有名。《詳細を隠す》
概要
ダルトンの法則とは
「混合気体の全圧力は、それを構成する各気体の圧力の和に等しい - それぞれの期待は、あたかも単独で全体積を占めているかのようにふるまう」
P = P1 + P2 + P3 + ・・・
《詳細》
P : 全体の圧力、
P1,P2,P2・・・:各気体の分圧
※Pn = P × (nの全体に対する割合、混合比(%))各ガスの圧力やその影響について考える場合、分子の数を数えるまでもなく割合(混合比)を知るだけでいいことになる。
《詳細を隠す》
- 混合気体を構成する気体は、互いに干渉せず、個別に運動する。
- 混合気体を構成する個々の気体の圧力はその期待の分子の数に比例する。
ダイビングではどう大切か?
体内組織への気体の溶解性と拡散は、その分圧に比例する。
減圧症では
減圧症は、「窒素の溶解」によるので、窒素分圧を下げることが減圧症の予防になります。
深度下で呼吸ガスの圧力を下げるわけにはいかないので、窒素の混合比を下げる(酸素の割合を上げる)と窒素分圧を下がるということです。
つまりこれがエンリッチド・エアー・ナイトロックス[1]前半を取ってエンリッチとか、後半を取ってナイトロックスと表現することがある。ということです。
不純物では
コンプレッサーの整備不良で、一酸化炭素(CO)が0.5%(PCO = 0.005気圧)だけ混入している場合、(好ましくはない)水面上では毒性が無いとされる。
しかし水深40mの場合、一酸化炭素分圧(PCO)は0.025気圧[2]PCO=0.005気圧×5ataとなり、水面等価で2.5%となり、十分に有毒なレベルの一酸化炭素を吸っていることになる。
練習問題で確認しましょう
できるだけ実際のダイビングでの場面を想像して解いてみてくださいね。
空気で潜っていって
酸素分圧が次の深さのうち1気圧に最も近くなるのは何メートルですか?
- 10 m
- 40 m
- 50 m
- 80 m
- 90 m
《詳細》
解答 b. 40m
- 空気の酸素分圧 20%[3]21%との表記もあるがここは選択肢の幅からして20で考えても支障がない。 → 0.2 ata
- 1気圧になるのは・・・ 1ata ÷ 0.2 ata = 5ata → 水深40m
《詳細を隠す》
タンクに1%の一酸化炭素(CO)が・・・
ダイバーが水深25mで吸うこのタンクの空気にはおよそ何%の一酸化炭素が含まれているか。
- 1 %
- 2.5 %
- 3.5 %
- このデータでは求められない
《詳細》
解答 a. 1% タンクの中のパーセンテージは深度下でも変わらない《詳細を隠す》
呼吸ごとに500,000個のCO分子を吸う場合・・・
水深25mではおよそどれくらいの分子を吸い込むことになるか?
- 500,000個
- 1,250,000個
- 1,750,000個
- このデータでは求められない
《詳細》
1.5%のCOを含むタンクを水深35mで使うと
水面で何%のCOを呼吸するのと同じような影響を受けるか。
- 1.5 %
- 5.25 %
- 6.75 %
- このデータでは求められない
《詳細》
エンリッチド・エアー・ナイトロックスとダルトン
基本的なことはエンリッチSPなどで習っておきましょう。使えない知識は意味がありません。
EANxに対する最大深度は PO2 = 1.4ata に達する深度です。
つまり 1.4 ÷ x% が P(周囲圧力=絶対圧力)ということになります。
例えば、EAN36の場合
1.4 ÷ 0.36 = 3.88・・・ ≒ 3.8ata つまり 28m が最大深度となります。
注釈
1. | ↑ | 前半を取ってエンリッチとか、後半を取ってナイトロックスと表現することがある。 |
2. | ↑ | PCO=0.005気圧×5ata |
3. | ↑ | 21%との表記もあるがここは選択肢の幅からして20で考えても支障がない。 |