水中での光と見え方




ダイバーにとっての水中での「光」ってどれくらい?どういう効果がある?

水中環境を不思議に感じさせてくれる効果などについて。ナビゲーション写真撮影へとつながる情報です。

10mの深さへ届く光はどらくらい?

太陽光が水深10mまで届くのは何と・・・( )%だと言われています。その割には暗く感じることはなく、ダイバーの目は慣れ、差し込む光の筋がキラキラ明るく感じることさえあります。

《詳細》

水深10mまで届く太陽光は20%

★実際は緯度や太陽の高さ、水中の濁度など様々な要因により異なります。

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海中へ届く光が減るのは

次のような作用のためです。

  1. ( )浮遊物など遮られること

    《詳細》

    遮断 浮遊物など遮られること

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  2. ( )散乱して屈折すること

    《詳細》

    拡散 散乱して屈折すること

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  3.  吸収  水自体に熱として吸収されること
  4. ( )水面などで進む方向が変わること

    《詳細》

    屈折 水面などで進む方向が変わること

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  5.  反射  水面で反射し水中へ入らないこと

写真撮影では

ダイバーは目が慣れあまり暗くは感じませんが、写真撮影時ブレやすくなります。

ブレにくくする為にISO感度を上げると荒く写るので水中ストロボライトが有効です。

  • ストロボが有効なのは

    《詳細》

    光を当てると逃げる生物

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  • ライトが有効なのは

    《詳細》

    ピントが瞬間的に合いにくい撮影
    ★ストロボ撮影では、撮れる瞬間消えるターゲットライトも便利

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水中での良い面

水が光を拡散することで明るさを均衡にしてくれ、( )を減らしてくれます。

《詳細》

影の部分

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全体がほんわか光に包まれてるというと言いすぎでしょうか。影が強いと自然な感じが薄れてしまいます。

減少する光と順応

光が弱くなると目は3つの異なる方法で対応します。

  1. 目が徐々に光に敏感になっていく
    • 明るいところから真っ暗なところへは順応に30分かかることがある
    • 明暗の変化には10分程で対応する
  2. 豊かな色彩から無色に順応していく
  3. 微細な部分を見分ける能力を極端に落とす

軍隊では、ナイトダイビングに赤いゴーグルをつけたり、エントリーの前に10分か20分赤い光の下で目を鳴らすダイバーも居る(エンサイクロペディア)。

色覚(色)の恒常性とは?(認知心理学)
色覚(色)の恒常性とは?(認知心理学)
あなたは海底で... 砂は青く見えてますか? バディの肌は青く見えてますか? 水中写真の様に青く見えてますか? ...

ダイバーにとって

img_01[1]

TUSA HPより( http://tusa.net )

水中で光が減少したことで拡大した瞳孔にさほど衰えず紫外線が届きます。ダイビングを行った後、特に低緯度の海でダイビングを行った後、目がチカチカすることはないですか?

img_04[1]

TUSA HPより( http://tusa.net )

水中では光が少ないといいながら紫外線の効果は瞳孔が拡大する分大きくなるので、紫外線をカットするUV対応マスクもあります。

ただ、UVカットと書かれていてもメーカーによって性能に差があるので確認したいところです。

近くに、大きく見える

img_7863.jpg光は異なった物質を通過するときに、異なったスピードで通過するので屈折します。

その結果ダイバーにとっては・・・

  1. 物体→( )→
  2. →( )→マスクのガラス
  3. マスクのガラス→( )→マスク内の空気
  4. マスク内の空気→( )→

・・・と、通過してくる光が( )することで次のようなものの見え方になります。

《詳細》

屈折

  1. 物体→屈折→
  2. →屈折→マスクのガラス
  3. マスクのガラス→屈折→マスク内の空気
  4. マスク内の空気→屈折→

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距離

実際の距離より4:3の比率で近くに見えます

  • 4mのところのものが( )mのところに

    《詳細》

    3m

    《詳細を隠す》

実際のダイビングでは、ナビゲーションでは、見た目に頼ると距離感が狂いやすいということや、地面(海の底)が近くに見えるので・・・つまり浅く感じてしまうことから・・・深く潜りがちということに注意が必要です。

大きさ

ものが大きく見える距離の理屈と同様に、およそ33%大きく見えます

25%というマニュアルもあるが大差ないです。この数値の差は「実際」を基準にしているのか、「見た目」を基準にしているのかによります。

  • 30cmのものが( )cmの大きさにみえる。

    《詳細》

    40cm

    《詳細を隠す》

  • 魚の大きさならいいのですが、進入する穴も大きく見えるので注意が必要です。

実際のダイビングでは、大きく見えるのはともかく、沈船などの穴に入ろうとするとき、実際の穴が大きく見えている・・・つまり見た目より穴は小さい・・・ということに注意が必要です。これには慣れもあり、人の大きさから比較により大体の大きさは感覚で分かるようになります。

確認クイズ

ここまでの内容をダイビングの場面で確認してみましょう。

水中での物の見え方は

実際より( A )%分( B )に、( C )%分( D )く見えます。

  1. 20
  2. 25
  3. 33
  4. 近く
  5. 遠く
  6. 大き
  7. 小さ

《詳細》

解答 実際より25%分近くに、33%大きく見えます。

  1. b 25
  2. d 近く
  3.  c 33
  4. f 大き

つまり、思っているより離れていたり思っているより深かったりするということです。

《詳細を隠す》

まとめ

  1. 光は異なった物質を通過するときに、異なったスピードで通過するので屈折します。
  2. 実際の距離より4:3の比率で近くに見えます(4mのところのものが3mのところに)。
  3. 距離の理屈と同様に、およそ33%大きく見えます。

現実的な補足

  1. ダイバーは色の吸収を深度を規準に考えがちですが、実際は「( )の合計」によります。つまり横方向でも同様に吸収され青くなるということです。これで青の洞窟の水が青いことに理屈が付きますね。

    《詳細》

    「光が水中を通過する距離の合計」
    青の洞窟の水が青いことに理屈が付きます

    《詳細を隠す》

  2. 色の吸収は異なる色の差を無くしていきます。つまり「コントラスト」が無くなっていきます。上記との理由からクッキリした写真を撮影するにはより被写体に近づく必要があるので「ワイドコンバージョンレンズ(ワイコン)」が好まれます。
  3. 海で蛍光色がよく使われるのは:
    1. 自然界にあまりない波長の色なので目立つ
    2. 深いところにはたくさんある青よりの光(波長の短い光)による刺激で色を放つ
      蛍光=発光現象

      広義の蛍光は、X線や紫外線、可視光線が照射されてそのエネルギーを吸収することで電子が励起し、それが基底状態に戻る際に余分なエネルギーを電磁波として放出することで、陸上でブラックライトが蛍光色を目立たせるのと同様(Wikipedia)。



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