探求の旅―ダイビングを通じて真の喜びを見出す




あちこちに潜りに行くことで満足を求める青い鳥症候群に陥ったジプシーダイバーの課題は、どこかに自分を幸せにしてくれるダイビングがあるという根拠のない願望を追求することでなく、まず、行く先々で他の海で潜ったという経験を話すことで優越感を味わいたいという行動を改めることです。実際は、そんなことで優越的な地位は得られず皮肉な人間性が露わになるだけです。

自分の話をすることによって自己満足感を得る瞬間は満たされるかもしれませんが、それは一時的なものであり、ダイバーや関係者、海に対しても失礼な行為です。他の人々はそういった自己満足のために海を訪れるのではなく、海そのものやダイビング体験を楽しむためにそこにいるのです。優越的な地位を得ようとしている発言は見透かされるもので、周囲の人々に対して冷たさを抱かせ、疎外感を与える可能性があります。

恋愛に例えると、今デートしている相手に、過去に好意を持った人の話をするようなものです。実際にはそのような失礼な行為は許されるものではありませんし、時間が経っても消えないシコリを残すでしょう。同様に、他のダイバーに対して、他の海での経験を強調することは、関係を損ない、友好的な環境を築くことを妨げます。

親しくない人には、目の前の相手の失礼な行為に対して批判や注意をすることが難しい場合があります。そのため、このような失礼な発言に対しても「すごいね。」とか「いいね。」と口を合わすことがありますが、真に受けるべきではありません。

実は、本当に求めているのは、訪問者として潜ったことのある海を、さもよく知ってるかのように比較して見せることではなく、自己成長と向上でしょう。幸せを追求するためには、まず自己中心的な行動を改める必要があります。ダイビングの技術や知識を向上させることに集中し、自分の能力を高めていくことが大切です。自己成長を追求することで、どの海でも誰とでも楽しくダイビングを楽しむことができるようになることに気付くでしょう。

結局のところ、海は海でしなく、楽しい海や、辛い海というものは存在しません。初心者にとって危険な海でも、上級者にとっては楽しい海であることがありえるもので、楽しさは海に依存せず能力に依存するものです。もし、どこかの海でのダイビングが楽しめないという時は、海ではなくダイバーとしての技量や考え方を見つめなおす必要があるでしょう。

つまるところ、テレビや雑誌が描くようなユートピア的な海や環境は存在しないのです。ダイビングで幸せを感じるかどうかは、自分自身の技量や心の状態、アプローチ方法にかかっています。ダイビングは心地よい冒険であり、他の人々とのつながりや美しい海の探索を通じて楽しみを見つけるものです。自己成長と向上を重視することで、自分自身がどの海でも満足し、誰とでも楽しくダイビングを共有できるようになります。

他の海やダイバーとの比較ではなく、自分自身の進歩や成果に焦点を当てることが重要です。ダイビングは良い技術と経験の積み重ねが必要な活動ですので、回数や深さ、珍しいと言われるものを見たかどうかではなく、自分自身のスキルを磨くことでより豊かなダイビング体験を得ることができるようになります。

幻想や願望にとらわれる代わりに、現実に目を向け、自分の成長に喜びを見出すことが大切です。ダイビングは自然との対話であり、謙虚さと敬意を持って海の美しさを受け入れることが求められます。自己中心的な行動ではなく、謙虚さと協力の精神を持って、海の素晴らしさを共有しましょう。

ダイバーは、自己成長を重視し、他の人々とのつながりを通じて楽しみを見つけることで、より充実した素敵な体験を得ることができるようになるでしょう。幸せはどこかの海にあるのではなく、自分自身の心の中にあります。そこに気付き、喜びを見出すことが大切です。

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