こんにちは!ココモの唐沢です。
- 浮力と言えば…「( )の原理」
- ここでは、プール(淡水)と海(塩水)では、ウエイトをどう変えるか等、ダイビングの場面に当てはめながら浮力について確認してみましょう。
プロ志望で浮力が苦手?
《詳細》
プロコースへ進む段階で、初心者コースで習う中性浮力が苦手だというダイバーに会うことがあります。大抵「中性浮力は難しい」、「経験不足だから」と言われます。しかし、難しかったのはファンダイビングの回数で上手くなれるいう甘い考えを治すことで、不足していたのは計画性と自己抑制を保つ精神の発達です。
- リスキーなダイバーと知的なダイバーの間には大きな違いがあります。
賢明なダイバーは論理的かつ現実的でしかもよく研究し、有効であると証明された技術を使い、噂や自分だけの経験や勘に頼りすぎることはありません。
何はともあれ、まずは知識面から確認してみましょう!
《詳細を隠す》
概要
水中は無重力世界?
- 無重力ではありません…^_^;
「重力はあり、浮力もある」というのが正確で、重力があるからこそ上下を感じたり、ウエイトやタンクの重さを感じます。浮力を調整することでステキな無重感を楽しめます。
- <コラム>淡水と海水で変わる浮力
アルキメデスの原理
浮力の調整に感覚も重要ですが、上達するには原理を理解し、数値で把握できるようになることも重要でしょう。
- 液体中に沈んでいる物体は、物体の一部または全部であっても、( )に等しい上向きの浮力を受ける。
《詳細》
その物体によって置き換えられた液体の重さ《詳細を隠す》
BCに置き換えられた液体
ダイビングでの「置き換えられた液体の重さ」とは…BC、身体、タンク、その他体積のあるもの全てです。
浮力調整器材といえばBCですが、どれくらいの浮力(体積)かご存知でしょうか?
※カタログ上のBC毎の浮力は、自動車の燃費計算の様に統一されたものではなく、同じ浮力の数値(例10kgf)でも浮力が同じとは限りません。
TUSAとBismの例
液体の重さ
(同じ量であれば)液体の重さ(浮力)は( )によって変わります。
《詳細》
比重《詳細を隠す》
プール(淡水)と海(塩水)では、比重が異なるので浮力が異なります。プールより海の方が浮きやすのは海水の比重が淡水より( )から。
《詳細》
大きい《詳細を隠す》
- ダイビングでは比重をおおよそ次の数値で考えます。
- 淡水 1.00
- 海水 ( )
《詳細》
1.03《詳細を隠す》
淡水と海水での浮力の違い
ある物体を、海水から淡水、又は淡水から海水へ、移動させたとき浮力はどう変わりますか?
海水で下記の状態 → 淡水
- プラス浮力
- 中性浮力
- マイナス浮力
淡水で下記の状態 → 海水
- プラス浮力
- 中性浮力
- マイナス浮力
<コラム>塩と浮力の微妙な関係
数値化した浮力に慣れる
では、次の練習問題で、感覚的なものではなく、数値で把握できるように練習してみましょう。
海水中に中性浮力で…
65kgの物体が中層に浮かんでいます。体積は?
(イメージ)65kgの体重の人が水中に浮かんでる…通常、スキューバやスキンダイビングではスノーケル器材やスーツ、ウエイトなどを使いますが、今回はそれらを無視して、「単純に人が海中に居る場合」として解いてみましょう。
- 約 63 ㍑
- 約 65 ㍑
- 約 67 ㍑
- このデータでは判断できない
《詳細》
- まず考えるのは・・・体積の”数値”は”65″より大きいか小さいか
- 次に海水は・・・浮きやすい
- つまり・・・体積は小さいはず!
- 1.03を掛けるか割るか・・・小さいのだから割る!
A. a 65 ÷ 1.03 = 63.1
《詳細を隠す》
実践場面
ここからは更に、プール、海、BC、リフトバッグなど、現実的なダイビングシーンにアルキメデスの原理をあてはめ、数値で浮力を把握してみましょう。
リフトバッグで物体を引き上げる①
Q.水面に引き上げる時、リフトバッグに入れる空気のおよその量は?
- 対象物の重量 500kg
- 環境 淡水 水深30m
選択肢
- 515㍑
- 500㍑
- 486㍑
- このデータでは判断できない
《詳細》
A. d. このデータでは判断できない物体を引き上げるのは中性浮力(=重さと浮力がイコールの状態)
つまり、物体の体積が分からないと現在の浮力が分からないから、リフトバックでプラスすべき浮力も分からない。
※深さはこの問題を解くには関係ないです。
《詳細を隠す》
リフトバッグで物体を引き上げる②
Q.水面に引き上げる時、リフトバッグに入れる空気のおよその量は?
- 対象物の体積 300㍑、重さ 400kg
- 環境 海水 水深40m
選択肢
- 100㍑強
- 100㍑弱
- 90㍑強
- 90㍑弱
- このデータでは判断できない
ドラム缶で物体を引き上げる
Q.水面に引き上げる時、ドラム缶に入れる空気のおよその量は?
- 対象物の体積 350㍑、重さ 400kg
- 環境 淡水 水深40m
- ドラム缶の体積 200㍑、重さ 考えないとする
選択肢
- 50㍑強
- 約50㍑
- 50㍑弱
- 柔軟性のないドラム缶は空気をフルに満たす
- このデータでは判断できない
《詳細》
A. b. 約50㍑
※深さはこの問題を解くには関係ないです。
《詳細を隠す》
まとめ
実際のダイビングで浮力を計算してみることで、浮力感の精度を高めていきましょう。
- 電車で寝入って…ふと目が覚めれば予定の駅!
- スーパーに買い物に行くと、適当に買って予算通り!
都度、時間や価格の計算に慣れてるからでしょう。これくらい「自然に浮力調整できる」ようになると良いですね。